ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験対策として、まず押さえておきたい赤ワイン品種の代表格が、カベルネ・ソーヴィニヨンです。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、世界でもっとも有名な黒ブドウ品種のひとつです。
試験でも昔から出題され続けており、できれば正解したい品種のひとつです。
その理由は、カベルネ・ソーヴィニヨンには非常にわかりやすい個性があるからです。
世界中にブドウ品種は数多くありますが、ブラインドテイスティングで品種の個性がはっきり出やすいものは、実はそれほど多くありません。
その中でカベルネ・ソーヴィニヨンは、
・色が濃い
・香りに特徴がある
・酸とタンニンが強い
・余韻がドライに切れ上がる
という点で、かなり判別しやすい品種です。
また、ボルドー左岸の格付けシャトー、五大シャトー、カリフォルニアのナパ・ヴァレーなど、世界的なアイコンとなるワインも多く存在します。
そのため商業的にも成立しやすく、世界中で広く栽培されています。
カベルネ・ソーヴィニヨンとはどんな品種か
カベルネ・ソーヴィニヨンは、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配によって生まれた品種です。
比較的晩熟で、小粒、果皮が厚いことが特徴です。
この「小粒で果皮が厚い」という性質が、ワインの味わいに大きく影響します。
ブドウの粒が小さく、果皮が厚いということは、果汁に対して果皮や種の比率が高くなります。
つまり、色素やタンニンが多く抽出されやすくなります。
その結果、カベルネ・ソーヴィニヨンから造られるワインは、
・色が濃い
・タンニンが強い
・骨格がしっかりしている
・フルボディになりやすい
という特徴を持ちます。
まさに、本格的な赤ワインを代表する品種と言えます。
外観の特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンの外観は、基本的に非常に濃厚です。
中心部に黒みを帯びた、紫がかったガーネット系の色調になることが多いです。
試験用語で言うなら、ルビーよりもガーネット寄り。
若いワインでは紫のニュアンスが強く、濃いダークチェリーレッド、あるいは黒紫に近い印象になることもあります。
外観の時点で、
「これはかなり濃い赤ワインだな」
と感じたら、カベルネ・ソーヴィニヨンは候補に入れてよい品種です。
香りの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンの香りは、非常に特徴的です。
まず果実の香りとしては、カシス、ブラックベリーなど、黒系果実のニュアンスが中心になります。
チェリーやプラムというよりも、小粒の黒いベリーを思わせる香りです。
そして、カベルネ・ソーヴィニヨンで重要なのは、果実以外の香りです。
代表的なのは、
・西洋杉
・針葉樹
・鉛筆の削りかす
・ミント
・メントール
・ユーカリ
・ピーマン
・シダ植物
などです。
特に「西洋杉」や「鉛筆の削りかす」のような、植物の幹や枝を思わせる香りは、カベルネ・ソーヴィニヨンらしさを考えるうえで重要です。
ブドウという果物から造られているのに、果物っぽくない香りが出る。
ここがカベルネ・ソーヴィニヨンの面白いところです。
果実香だけでなく、ハーブ、針葉樹、木質、青い野菜のような香りが混ざることで、複雑な印象になります。
この複雑性こそが、カベルネ・ソーヴィニヨンの大きな魅力です。
青い香りについて
カベルネ・ソーヴィニヨンには、冷涼な年や完熟度がやや低い場合に、青っぽい香りが出ることがあります。
ピーマン、トマトの葉、シダ植物のようなニュアンスです。
これは、メトキシピラジンなどのピラジン系化合物に由来する香りとして説明されます。
ただし、試験対策としては難しく考えすぎる必要はありません。
カベルネ・ソーヴィニヨンには、
・黒系果実
・西洋杉
・ミント
・鉛筆の削りかす
・時にピーマンのような青さ
が出やすい、と押さえておけば十分です。
味わいの特徴
カベルネ・ソーヴィニヨンの味わいは、力強いです。
酸も豊富で、タンニンも豊富です。
果皮が厚い品種なので、タンニンがしっかり出やすく、口の中に収斂性を感じます。
特に重要なのは、フィニッシュです。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、飲み終わりに口の中が乾くような、ドライに切れ上がる余韻になりやすいです。
喉が渇くような、やや厳しい印象。
これは、ブラインドでカベルネ・ソーヴィニヨンを見分けるうえで、かなり重要なポイントです。
一方で、アルコールは他の濃厚な赤ワイン品種と比べると、やや控えめに感じることがあります。
もちろん、チリやカリフォルニアのカベルネでは14.5%程度になることもあります。
ただ、同じような温暖な条件でメルロやシラーを栽培した場合、それらの方がよりアルコールが高く、ボリューム感が出やすいことがあります。
カベルネ・ソーヴィニヨンは、アルコールの甘いボリュームというよりも、酸とタンニンによる骨格で力強さを感じる品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンの基本イメージ
二次試験対策として、カベルネ・ソーヴィニヨンは次のように整理しておくとよいです。
外観:濃い。黒みを帯びたガーネット系。
香り:カシス、ブラックベリー、西洋杉、ミント、鉛筆の削りかす。
味わい:酸とタンニンが強い。収斂性がある。余韻がドライ。
印象:冷たく、硬く、引き締まったフルボディ。
特に、
「黒系果実」+「植物の幹や枝」+「強いタンニン」+「ドライな余韻」
この組み合わせが出てきたら、カベルネ・ソーヴィニヨンをかなり強く疑ってよいと思います。
主な産地
カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培されています。
ただし、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の二次試験対策としては、手を広げすぎる必要はありません。
まずは、次の産地を押さえておけば十分です。
フランス
フランスでカベルネ・ソーヴィニヨンと言えば、基本的にはボルドー左岸です。
メドックやグラーヴなど、水はけのよい砂利質土壌が有名です。
ボルドーでは、カベルネ・ソーヴィニヨン単一ではなく、メルロやカベルネ・フランなどとブレンドされることが一般的です。
ただし、カベルネ・ソーヴィニヨンは非常に個性の強い品種なので、30%程度入っているだけでも、ワイン全体にカベルネらしい印象が出ることがあります。
試験で「フランスのカベルネ」と考える場合、基本的にはボルドー左岸のカベルネ主体ブレンドをイメージすればよいでしょう。
果実味やアルコールは中庸で、香りは上品。
フローラルさや樽のニュアンスも含めて、全体にクラシックで引き締まった印象になりやすいです。
アメリカ
アメリカのカベルネ・ソーヴィニヨンと言えば、基本的にはカリフォルニア。
特にナパ・ヴァレーをイメージしておくとよいです。
カリフォルニアのカベルネは、フランスに比べて果実味が豊かで、アルコールも高めになりやすいです。
カシスリキュールやジャムのような濃縮感を感じることもあります。
ボルドーよりもわかりやすくリッチで、樽の印象も強く出ることがあります。
試験でカベルネ・ソーヴィニヨンが出た場合、フランスと並んでアメリカは有力な選択肢です。
チリ
チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは、日本でも非常に身近です。
スーパーや量販店でも、1,000円前後のチリ産カベルネを見かけることが多いでしょう。
そのため、試験対策としても無視できない産地です。
チリのカベルネは、完熟感がありつつ、どこかピーマンのような青いニュアンスが出ることがあります。
果実味はしっかりしているのに、妙に青っぽい。
この印象がある場合、チリを候補に入れてもよいでしょう。
価格帯としては、デイリーなレンジの生産量が多いことも覚えておきたいポイントです。
オーストラリア
オーストラリアでもカベルネ・ソーヴィニヨンは広く栽培されています。
特に有名なのは、マーガレット・リヴァーやクナワラです。
試験対策としては、オーストラリアのカベルネでユーカリのような香りが出ることがある、という点を覚えておくとよいです。
ただし、アメリカとオーストラリアで迷った場合、出題頻度や確率を考えると、アメリカを優先した方がよい場面もあります。
もちろん、明らかにユーカリの香りが強い場合は、オーストラリアを考えてよいでしょう。
その他の産地
カベルネ・ソーヴィニヨンは、南アフリカ、イタリア、アルゼンチン、日本など、さまざまな国で栽培されています。
イタリアでは、トスカーナのボルゲリなどで高品質なカベルネ主体のワインが造られています。
ただし、二次試験対策としては、あまり手を広げすぎる必要はありません。
まずは、
・フランス
・アメリカ
・チリ
・オーストラリア
この4つを中心に考えればよいと思います。



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