今回は、サンジョヴェーゼについて解説していきます。
サンジョヴェーゼは、トスカーナを代表する黒ブドウ品種です。ピエモンテのネッビオーロと並び、イタリアを代表する重要品種と言っていいでしょう。
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験でも、必ず押さえておきたい品種の一つです。ただ、受験生にとっては、特徴を掴みにくい品種の一つでもあります。
ネッビオーロの「ローズ&タール」や、シラーの「黒胡椒」のように、分かりやすい決め手が少ないんですね。

サンジョヴェーゼは「バランスの良さ」で覚える
サンジョヴェーゼを覚える時に、一番大事なのはここです。
「突出した個性ではなく、『バランスの良さ』で覚える品種です。」
酸味だけが極端に強いわけでもない。タンニンだけが厳しいわけでもない。アルコール感だけが目立つわけでもない。
外観、香り、味わいのすべてが、全体としてうまくまとまっているんですね。
サンジョヴェーゼは、特徴がない品種ではありません。「バランスがいいこと」が特徴なんです。
最初は、この感覚が少し分かりにくいかもしれません。ただ、いろいろな品種を飲み比べていくと、この中庸で快活なまとまり方が、少しずつ見えるようになってきます。
イタリアを代表する、多様性の大きな品種
サンジョヴェーゼは、イタリアで非常に広く栽培されている品種です。特にトスカーナを中心とする中部イタリアで重要な存在になっています。
代表的なワインとしては、キャンティ・クラシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノなどがあります。
安価で軽快なワインから、長期熟成型の高級ワインまで、非常に幅広いスタイルがある品種です。
これも、サンジョヴェーゼを難しくしている理由の一つです。同じ品種名でも、飲んだ時の印象がかなり違うことがあります。
外観の特徴
ソムリエ・ワインエキスパート二次試験で出題されるサンジョヴェーゼは、トスカーナの比較的クラシックなスタイルを基準に考えておけばいいと思います。
色調は、赤ワインとしては中程度です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーほど濃くはない。一方で、ピノ・ノワールやガメイほど淡くもない。その中間くらいの濃さになることが多いです。
エッジには、軽くオレンジ色が見えることもあります。ここは、試験で出題されるイタリアのクラシックな赤ワインらしい外観として、覚えておいてください。
ただし、ネッビオーロのように、誰が見ても明確にオレンジ色が強いとは限りません。あくまで、少しオレンジがかったルビーからガーネットくらいのイメージです。
香りの特徴
香りは、プラムやブラックチェリーなどの果実を中心に考えます。
少し熟したものでは、干しプラムやジャムのようなニュアンスを感じることもあります。梅を思わせるような、少し小気味よい酸を連想させる香りが出ることもありますね。
花の香りでは、スミレ。さらに、ドライフラワーや鉄、土を思わせるようなニュアンスが出ることもあります。
華やかではあるんですが、派手すぎない。果実、花、土っぽさが全体としてまとまった、親しみやすい香りになることが多いと思います。

味わいの特徴
味わいは、やはりバランス型です。
酸味は生き生きとしていますが、鋭すぎる印象ではありません。タンニンもしっかり感じますが、ネッビオーロのように口の中を強く締めつけるほど厳しい印象にはなりにくいです。
アルコール感も程よく、果実味、酸、タンニンがきれいにまとまります。
若いうちからバランスが取りやすく、リリース後すぐに楽しめるスタイルが多いのも、サンジョヴェーゼの特徴です。
もちろん、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノのように、長期熟成を前提とした力強いスタイルもあります。ただ、試験対策では、まずは「快活でジューシー、そして全体のバランスがいい」というイメージを優先してください。

クローンが多く、味わいの幅も広い
サンジョヴェーゼは、クローンの多い品種としても知られています。
さらに、地域ごとにさまざまな呼び名があり、同じサンジョヴェーゼでも産地や系統によって性格がかなり変わります。
例えば、キャンティ・クラシコとブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、どちらもサンジョヴェーゼを中心とする代表的なワインですが、味わいの方向性は同じではありません。
ブルネッロは、より骨格がしっかりしていて、力強く長期熟成型になる傾向があります。
実際、ブラインドテイスティングでは、ブルネッロをネッビオーロと間違えることも珍しくありません。それくらい、堅牢でタンニンの強いスタイルになることがあります。
ただし、ソムリエ・ワインエキスパート二次試験でサンジョヴェーゼを考える時に、ここまで細かくクローンや産地差を追いかける必要はありません。
まずは、試験で出題される標準的なトスカーナのサンジョヴェーゼを基準に考えましょう。
二次試験ではこう考える
試験でサンジョヴェーゼを考える時は、突出した一つの特徴を探しすぎないことです。
外観は中程度。香りはプラムやブラックチェリーを中心に、スミレ、ドライフラワー、鉄、土など。味わいは酸味とタンニンが程よく、全体としてバランスが取れている。
この全体像が揃ったら、サンジョヴェーゼを候補に入れてください。
- 色調は中程度
- エッジに軽くオレンジ色が見えることがある
- プラム、ブラックチェリー、スミレ
- ドライフラワー、鉄、土のニュアンス
- 酸とタンニンが程よく、全体のバランスが良い
産地については、ソムリエ・ワインエキスパート二次試験では、まずトスカーナで考えて問題ありません。
サンジョヴェーゼは、細かく考え始めると非常に難しい品種です。クローンも多いですし、ワインの価格帯もスタイルも幅があります。
逆に試験では、考えすぎないことも大切です。

まとめ
サンジョヴェーゼは、特徴が分かりにくい品種ではあります。
ただ、特徴がないわけではありません。
「突出した個性ではなく、バランスの良さで覚える。」
これが、サンジョヴェーゼを理解する一番の近道です。
色調は中程度。香りはプラムやブラックチェリーを中心に、少しドライなニュアンス。味わいは酸、タンニン、果実味がうまくまとまっている。
最初は掴みにくいかもしれませんが、この「全体のまとまり方」が分かるようになると、サンジョヴェーゼは一気に見えやすくなります。
他品種との見分け方や、ブラインドテイスティングでの具体的な考え方については、別の記事(有料コンテンツ)で詳しく解説します。




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