身近な品種だが、ブラインドでは当てにくい品種
メルロは世界中で栽培される人気品種で、ワインショップでもよく見かける、とても身近なブドウです。
ですが、JSAソムリエ・ワインエキスパート2次試験では意外と難しい品種でもあります。
その理由を説明する前に、一つ知っておいてほしいことがあります。
カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロは、長年最高のパートナーとしてブレンドされてきた品種だということです。
カベルネ・ソーヴィニヨンが骨格や力強さを担当し、メルロが丸みや豊満さを補う。
ボルドーでは、この2品種がお互いの長所を引き出しながら、世界最高峰の赤ワインを生み出してきました。

そして、メルロ単体で飲んでも、その「豊満さ」「親しみやすさ」は大きな魅力になります。
ただ、二次試験ではそれが逆に難しさにもつながります。
「これがメルロ!」という決め手になる特徴が少ないからです。
メルロとは
メルロはフランス・ボルドー右岸を代表する黒ブドウ品種で、現在では世界中で栽培されています。
タンニンはカベルネ・ソーヴィニヨンより穏やかで、味わいはより丸く、豊満でメローな印象になりやすい品種です。
試験ではフランス・ボルドーのほか、アメリカ・カリフォルニア、日本では長野県あたりを押さえておけば十分でしょう。
外観
色調は比較的濃く、ガーネット寄りの印象を受けることが多い品種です。
また、メルロは比較的熟成が早く進みやすいと言われています。
そのため試験では、
「色はしっかり濃いのに、思ったより熟成感がある。」
そんな印象を受けるワインが出題されることがあります。
エッジにオレンジのニュアンスが見え始めている場合は、メルロも候補に入れてみるとよいでしょう。
香り
香りはブラックチェリーやプラムなど、熟した黒系果実が中心です。
僕はよく、
「カベルネがカシスなら、メルロはプラム」
と説明しています。
もちろん例外はありますが、このイメージは結構使えます。
また、このプラムのような豊満な果実香は、グルナッシュにも共通して感じられることがあります。
ですから、「プラムだからメルロ」と決めつけるのではなく、一つのヒントとして考えるくらいがちょうどいいでしょう。
樽熟成したものでは、バニラやチョコレート、ローストなどのニュアンスも現れます。
味わい
味わいは豊満で丸みがあり、メロウな印象。
ボルドーらしい骨格はありますが、カベルネ・ソーヴィニヨンほど力強く引き締まった印象ではなく、より柔らかく肉厚なバランスになりやすい品種です。
試験対策
メルロは、「こうだったら絶対メルロ」という決定打が少ない品種です。
だから僕は、メルロは消去法でたどり着く品種だと考えています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの西洋杉がない。
シラーの黒胡椒がない。
ネッビオーロの淡い色調でもない。
そんなふうに一つずつ候補を消していくと、最後にメルロが残ることは少なくありません。
特徴を一つ探すよりも、全体のフォルムで判断することが大切です。

まとめ
メルロは世界中で愛される、とても身近な品種です。
しかし、二次試験では決して簡単な品種ではありません。
豊満でバランスがよく、大きな欠点も突出した個性も少ない。
だからこそ、ブラインドでは当てにくい品種なのです。
他品種との具体的な見分け方や、ボルドー・カリフォルニア・長野の判別ポイントについては、有料記事で詳しく解説したいと思います。




コメント